コールセンターの恋愛事情
「もちろんだよ!

俺、旅行行きたい!

なあ、須知ちゃん」

辻本さんが嬉しそうに返事をした後、わたしに話しかけてきた。

「えっ…ああ、いいんじゃないんですか?」

しかも費用は人が負担するとなると、これは滅多にないチャンスである。

蔵野さんの親戚と言うことは、京都に行くって言うことだよね?

京都には1度でいいから行ってみたいと思っていたから、ちょうどよかった。

わたしたちの反応に、
「ただその代わりかし言うてはなんそやけども、君たちに頼みたいことがあるんだ」

蔵野さんは少しだけ言いにくそうに言った後、テーブルのうえに何かを置いた。

「これは…先日番組で紹介したデジカメじゃないか」

内場さんが言った。

彼がテーブルのうえに置いたのは、シルバーのデジカメだった。
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