コールセンターの恋愛事情
「真ん中の女の子の後ろに注目するとわかるけれど、何やが写り込んでいるやろう?」

蔵野さんに言われて真ん中の女の子に視線を向けると、
「あー…」

「これは…」

「うーん…」

確かに、ぼんやりと白い顔のようなものが写り込んでいた。

「その写真を撮った翌日に彼女は交通事故に遭ったそうだ。

幸い、右足を骨折しただけと言うケガで済んだらしいけれど」

蔵野さんが言った。

「何やの間違いだと言うのは確かなんそやけども、本社のヤツらは怖がって誰も確かめたがれへんんだ。

ほしてと言う訳で…」

旅行と引き換えに、わたしたちに依頼をしにきたと言う訳か…。

旅行費用の負担は全て蔵野さん持ちだなんて、何だか話がうま過ぎるなと思ったんだよ。
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