コールセンターの恋愛事情
「ああ、聞いたことある。

その部長の怒りを買ったヤツは運がよくても他部署への左遷、悪いとクビみたいな」

辻本さんが言った。

マジですかー!?

わたしはムンクの叫びみたいに両手を挟み込むように顔に当てて、悲鳴をあげそうになった。

「そうなんですよ!

だから本当にお願いしますよ!

この年齢で就職活動はしたくないんです!」

彼らから話を聞いた平山さんはペコペコと頭を下げている。

うわーっ、もし取材を断ったらわたしにも危害がくるって言うことだよね?

わたしだって就職活動をしたくないよ。

今の仕事だって我慢しながらやっているんだから。

「わかりました、やります」

そう言ったわたしに、
「ホントですか!?

ありがとうございます!」

平山さんはありがたいと言うように頭を下げたのだった。

この人、ここへきてから頭ばっか下げてないか?
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