コールセンターの恋愛事情

「以上で取材は終わります。

インタビュー記事は来週に発行される『名取通信』に掲載されるので、よろしくお願いします。

今回は貴重なお時間をいただき、誠に感謝しています」

丁寧に頭を下げた椎森さんに、
「あっ、はい…」

わたしは呟くように返事をすることしかできなかった。

「これは今まで以上の完成度になるわ。

期待していてくださいね」

椎森さんは楽しそうに言うと、ラウンジから立ち去って行った。

「期待ね…」

あんまり期待しない方がいいような気がする。

この取材が後にとんでもない大波乱を巻き起こすことになるとは、取材で疲れてしまっていたわたしは夢にも思って見なかった。