コールセンターの恋愛事情
そう思いながら箱から酢こんぶを取り出そうとしたら、
「あっ、ない…」

酢こんぶは1枚もなかった。

カバンにストックがないかと確認をしたが、こちらにもなかった。

「すみません、ちょっと買い物に行ってきます」

椅子から腰をあげたわたしに、
「気をつけて行ってきてねー」

辻本さんと内場さんが言った。

この先のコンビニへ足を向かわせていたら、
「紬ちゃん♪」

どこかで聞いたことがある甘ったるい声と同時に、生形さんが現れた。

「わっ!?」

わたしは驚いて腰を抜かしそうになった。

な、何でこんなところにいるんだ!?

彼女はわたしの頭の中を読んだらしく、
「今日は仕事がお休みだったから、紬ちゃんに会いにきちゃったのぉ♪」
と、言った。
< 94 / 160 >

この作品をシェア

pagetop