コールセンターの恋愛事情
突然始まった写真撮影に戸惑っていたら、
「はい、そこまでねー」

誰かが私と生形さんの間に入ってきた。

「…内場さん?」

わたしたちの間に入ってきたのは、内場さんだった。

「須知ちゃんに買い物を頼もうと思って追いかけてきたんだ」

内場さんは1枚の紙をわたしに差し出してきた。

買い物メモである。

「あなたは…?」

内場さんの登場に生形さんは戸惑っている。

「ああ、俺は須知ちゃんの先輩社員。

それで君は君で、後輩に何をしてくれていたのかな?」

内場さんはそう聞いた後、ニコッと生形さんに笑いかけた。

笑いかけているその顔には、どこか迫力があった。

効果音をつけるとするならば、ゴゴゴ…が正解だろう。
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