空を照らす向日葵

顔にかかった雨露を指で拭き取り唐傘を丁寧に畳んだ後、コウタが拭き終わるのをただ待っていた。

その静かさに、コウタも違和を感じたんだと思う。

「あれ?ひまちゃんは?」

粗方の雨露を吸い込んだタオルを首かけながら、コウタは僕の後ろを覗き込んだ。

キミの小さな身体が僕の身体に隠れてしまっているとでも思ったのかな。

本当にキミは小さかったからね。そこはキミと同じ名前の花とキミの唯一の違いだったんじゃないかな。

「今日はまだ見てないよ」
「ふうん風邪でも引いたのかね。」
「風邪?」

コウタが何気なく放った言葉に、僕は寝込んでいるキミを想像しようとしたんだけれど。

「体操着あったっけなー。」

僕にはキミが寝込んでいる姿を想像する事は出来なかったよ。
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