空を照らす向日葵

また一人、目が合った後輩に黙礼を返しながら、歩き出したコウタに続いて歩き出した。

「想像できないね」

その代わりに、眠りながらベットの中で転がり回る姿が見えて、思わず笑ってしまいそうになったよ。

「そうかあ?ほらあの子って名前の通りって感じじゃん。」

けれど、コウタには僕が想像できなかったキミが、容易に想像できた様で。

「太陽が出てなかったら元気が出ないみたいな。」

想像が出来ない僕には、花の方の事を言っている様に思えた。

僕の頭の中だけで上手く噛み合わない会話に少しうなうなしながら、なら夜は毎日元気がない事になるよ。と言ったら。

寝るのがすっげえ早いとか?と笑いながら答えたコウタに。

そのキミは僕にも容易に想像できて、また笑いそうになってしまったんだ。

キミは、ドラマの前のニュースが流れるテレビの前で船を漕いでいたよ。

”ドラマの前のニュースで寝ちゃって”
”最終回見逃したんだよおおお”

数日後にキミがその想像通りのエピソードを話してくれた時は、失笑を我慢できなくて。

”笑い事じゃないよお”

急に笑い出した僕に、キミは頬を膨らませていたね。
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