空を照らす向日葵
その日、キミは学校を休んでいたから、勿論移動中も昼休み中も、掃除の時だって、僕の周りは本当に久しぶりの穏やかな一日だった。

いきなり背中に衝突されたり、人目も憚らないで小さい身体を一生懸命動かしながら名前を呼ばれたりしない、以前の僕の生活だった。

食堂へ向かう花壇と運動場に挟まれた所でキミに少しだけ似た足音が聞こえた時は、思わず振り返ってしまったよ。

その足音を鳴らした子は、転ぶこともなく僕の横を通り抜けていった。

やっぱり何もない所で転ぶのは、キミだけなんだね。
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