空を照らす向日葵
「お?クールビューティーナオちゃんじゃん。体操着姿もいいねー!」

僕がキミが休んでいると知ったのは、全ての授業が終わった放課後だった。

あんなに爽やかだった夏の雨が次第に隠れて秋の雨の様に激しくなり、窓を閉じていてもその音が学校中に響き渡っていて。

放課後には、屋上にある筈のプールが見えなくなる位に鋭く濃い雨になっていた。

駅まで入れてくれ。と頼んでくるコウタに、そんな気持ちの悪い光景の中にいたくないよ。と拒絶しながら靴棚を開けた時。

体操着にスカートという不思議な組み合わせを見事に着こなしたマヤマさんの背中が、隣の靴棚から現れたんだ。
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