空を照らす向日葵
「それやめてもらえません。」
「語尾上げない所もIt's a cool beauty!」

無表情で振り返ったマヤマさんの眉間に、音もなく皺が出来ていくのが分かった。

頭で整理してから必要な事だけを伝えるマヤマさんと、まず口に出してから考えるコウタの会話はいつもこんな調子だったよね。

この二人、反りが合わないんだろうなと二人が関わる度に思っていたよ。

「ひまは今日休みですよ。」
「え?」

この時だって、そんな二人の油を含んだ水と水がぶつかり合う様な会話を、ふわりと眺めていたつもりだったのだけれど。

「私の周り気にしてるみたいだから。」

茶化すコウタを放置してマヤマさんが放った鋭い声に、瞬きと一緒に息を飲んでしまったんだ。
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