空を照らす向日葵
「フ、」

そんな僕を的確にその慧眼で捉えたマヤマさんは、優しく微笑した。

キミと違って、美人であまり表情を変えないマヤマさんがそうして顔を緩める動作は、目を惹かれた。

勘違いしないでね。キミは美人ではなくて可愛いんだよ。そして僕は美人よりも可愛い人が…うん。

「…」

横から覗き込んできたコウタが、また思っている事をそのまま口に出したから、マヤマさんの表情は戻ってしまったけれど。

「不器用ですね。」

放たれた声は緩やかで。キミとは違ってマヤマさんは、花の香りがした。
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