恋物語



それから私は、

神崎に「連絡先教えてよ。」と言った。


神崎は間抜けな顔をしていたけれど、

私が「この子犬が元気になった姿を神崎に見てもらいたいから。」と言ったら納得した様子で連絡先を教えてくれた。





私は神崎の傘を返して、

子犬を抱えて「じゃあまたね。」と言ってその場から去った。





「ありがとな。」



私が去った後、神崎がそう言ったのは知らない。
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