恋物語
「あの。席を変わってもらえないだろうか?」
私は神崎龍弥の後ろの席の人(男)に声を掛けた。
「え…ど、どうして…?」
男は素っ気ない私が急に話しかけてきたから少し怯えているが、
ぶりっ子風に言ってればいいだろう。
「実は…一日でも日光に当たらなかったら死んじゃう病気で…。君の席は一番後ろだし日光が当たってるから席を変わって欲しいんだ…」
「ダメ…かな?」
私は上目遣いの角度や声色を計算して言った。
「っ////(かっ可愛い) い、いいよ!///」
ほら、ちょろいもんだ。
ってか、一日でも日光に当たらなかったら死んじゃう病気ってなんだ。
男はそこに触れなかったがおかしいと感じなかったのか?
自分で言っておきながら、私は少し笑ってしまった。もちろん心の中で。