天使のはしご












「あ、虹だ」


そんなスローな時間が幾分か過ぎた時、


彼が雨の降っていない街を見ながら、そう言葉を出した。




(え?)



つられて街へと視線を移した私は、

出るはずのない虹で、自分の時間を知った。
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