天使のはしご
『明日、現れる。』
私は驚いて目を開ける。
まだ傘をささずに雨に打たれたまま眺めているあなたは、さっきと変わらない。
(明日・・・)
誰の声なのかはわからない。
けれど、意味はわかる。
(泣かない、空)
明日、泣かない空が現れる。
それは私が─────・・
(ううん。今は、今日)
もう一度空を見れば、雨はあがっていて、地上ではあなたが「凄かったなー・・・、な。」とびしょ濡れのまま、いつもと同じ笑顔を私に向けた。
あなたの笑顔でまた私は、口角があがった。