天使のはしご
(「明日、現れる」)
(何が今日現れるんだ?)
この一ヶ月と数日間、何回も登った急で長すぎる階段を登る。
いつもあと少しで登りきるという所で息が切れ始める。
それは大分登りなれてきた今日も例外ではなく・・・
「はぁ、はぁ・・あー、きつい・・・」
やっとの思いで登りきり、後ろを振り向けば、彼女と何度も見た町が広がる。
今日は生憎の曇り空。
分厚く黒く空一面に広がる雲のせいか町も暗く、静かで寂しい。
「昨日の事、聞かないとな」
僕はいつもの様に上を見上げた。
僕はいつもの様に上を見上げた。
けれど、どこにも彼女はおらず
いつもは閉められた窓が開いていた───