恋の六法全書~姫は王子のキスで~


 海から上がると、歩く度濡れた足の裏に、浜辺の砂がしつこくまとわりつく。


「こんなことなら、タオルを持ってくれば良かったな」


 私は足を空気乾燥させがてら、砂浜に仰向けになる。


 明日の天気は曇りのようで、今日の夜空の星は見えない。黒一色で、それは完全に夜の海と同化している。


 私はそのまま、目を閉じた。昼下がりに、特売品を求め遠くのスーパーまで歩いたので、いつもより疲れを感じていた。
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