恋の六法全書~姫は王子のキスで~
「えっ、本当!? いつもどおり、作ったけど」
長い付き合いだし、求くんの色んなものに対しての好みは把握している。そこだけは、抜かりのないはずなのに。
「嘘だよ、ちょうどいいよ。うん、美味しい」
求くんが白い歯を見せて笑い、再びカレーを食べていく。
真面目でぶっきらぼうな求くんでも、こんな冗談を言うんだ。この結婚に答えは出ずとも、きっと間違いはないだろう。私はリモコンで、テレビの電源を入れた。