現夢~ウツツノユメ~
⑤
雪…。
ふと、窓の方を覗くと雪がこれでもかと
言うほど降っていた。
そのせいか、この〝建物〟自体、
全体的に寒く感じ、ふっと息を吐けば
白いもやが出てきそうである。
こんなにも寒い日には、家で
こたつの中にでも入り、ぐつぐつと
煮えたおでんでも食べながら、
一杯引っ掛けるに限る。
それでいて側で天原が酒を注いで
くれたのなら、なおのこと幸せだ。
だが、現実は想い描いているほど
上手くはいかない。
…というより〝ここ〟はおそらく現実
ではないと言えるだろう。
なぜなら、目の前にあれほど望んでいた
〝少女〟がまだあどけなさが残る姿で
こちらをじっと見つめていたからだ。
ーそれは、正に高校生の頃の天原 瑞稀
である。
「天原…。」
「〝夢〟の世界へようこそ、成宮くん。
それじゃあ折角だし、パパッと
お話でもしちゃいましょうか?」
ふと、窓の方を覗くと雪がこれでもかと
言うほど降っていた。
そのせいか、この〝建物〟自体、
全体的に寒く感じ、ふっと息を吐けば
白いもやが出てきそうである。
こんなにも寒い日には、家で
こたつの中にでも入り、ぐつぐつと
煮えたおでんでも食べながら、
一杯引っ掛けるに限る。
それでいて側で天原が酒を注いで
くれたのなら、なおのこと幸せだ。
だが、現実は想い描いているほど
上手くはいかない。
…というより〝ここ〟はおそらく現実
ではないと言えるだろう。
なぜなら、目の前にあれほど望んでいた
〝少女〟がまだあどけなさが残る姿で
こちらをじっと見つめていたからだ。
ーそれは、正に高校生の頃の天原 瑞稀
である。
「天原…。」
「〝夢〟の世界へようこそ、成宮くん。
それじゃあ折角だし、パパッと
お話でもしちゃいましょうか?」