我は阿呆なり!〜恋愛劣等生であれ〜

入学式

入学式の日の朝、以前RAIMで話した前の席の男子は僕に話しかけてくれた。

「京志だよな?改めて、よろしく。山田って呼んでな。よろしくな。」

「うん、よろしく。」

しかし、出欠確認の時に僕も彼も気づくのだが、僕のクラスには山田が3人いたため、僕は彼を新太と呼ぶことになる。

新太はひたすら自分の好きなバンドの話や、軽音部に入りたいことを熱く語っていたが、専門用語が多くて僕には理解出来なかった。

後ろの席は吉村花緒理という大人しそうな女子だった。彼女は前髪で顔がよく見えなかったが、彼女の長い髪はどこかで見たような気がした。「はい」という声はとても高く、か細かった。


僕の右には誰もいなくて、僕の左は村瀬友貴というガタイが大きな男子だった。爽やかな印象で、彼も大人しそうだった。話しかけてみると嬉しそうに彼はバレーボールについて話し始めた。


担任は初めて担任を受け持つ新米教師の夏目友子先生で、彼女は現代文が専門だった。
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