我は阿呆なり!〜恋愛劣等生であれ〜

crazyなcamp

学年会

学年会では、最初に学習合宿運営委員会の委員長の言葉から始まった。

かなり低身長でO脚で、優しげな表情を浮かべた髪の長い少女は深呼吸をして、次にこう言った。

「初めまして、3組の篠原夢です。」

ー静まりきった体育館に、緊張感が生まれたのが分かった。
その瞬間、

「我は阿呆なりーーーっっ!!!!」と、彼女は大声で叫んだ。

みんなが息を飲み何かを口にしようとする間もなく彼女は

「みなさんは自分のこと阿呆だと思いますか？誰かと比べて自分の存在を確かめて、本当に楽しいですか？本当にやりたい事やってますか？いい成績をとっていい大学に行っていい会社に就職して、それってあなたが決めたんですか？高校生活は1回きりしかありません。今のあなたにしか出来ないことを全力でやらないと、大人になった時に自分が何も持ってないことに気が付きますよ、あんたも阿呆です私も阿呆ですみーんな阿呆なんだ!しょーもないプライド捨ててさっさと自分を受け入れんかいな!」

とかなり早口で捲し立てるように言い切った後、彼女は舞台を飛び降り、呆然と立ち尽くす教員を尻目に体育館から逃げ去った。その逃げ足の速さと言ったらチーターと互角だと感じるほどであった。