我は阿呆なり!〜恋愛劣等生であれ〜
僕は同じクラスにこんなに変な女子がいたことに対する驚きと共に彼女の勇気に圧倒されてしまい、しばらく言葉も出なかった。

中には彼女が話している間にクスクス笑ったり、ヒソヒソ話したりする馬鹿も数名いたが、ほとんどは彼女を賞賛すべき人物だと感じたはずだ。

ただ、言った言葉はものすごく良かったと思うのだが、なぜ逃げたのかがよくわからなかった。

結局彼女は次の授業には普通に参加していたし、休み時間には特に女子のクラスメイトに囲まれて質問攻めにあっていたし、彼女を見に来る他クラスの野次馬も多くいた。「なんでそんな事言ったの?」「勇気あるねぇ」「かっこいい」などおおよそが彼女に対する賞賛と興味から来る言葉だったが、彼女から距離を置こうとする者も少なからずいた。
宮部は自分が目立ちたいのか、嫌そうな顔をして篠原を見つめていた。

HRで夏目先生は一切その話をしなかったが、帰り際に篠原が夏目先生と二人で歩いているのを見かけた。

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