好きになっちゃダメな人。
下駄箱に行くと佐野に会った。
「お、すず。
ポニーテールなんてめずらしいな。」
「彩がやってくれたんだぁ。」
「そっか。遊びにでも行くの?」
「うん、ちょっとね。じゃあね。」
これまた不思議そうな顔してる佐野を後ろに
学校を出た。
校門を出て潤也さんを探す。
何で来てるんだろう。車?歩き?
近くを見渡すと見覚えのある黒い車。
近づいていくと潤也さんも気づいて
降りてきてくれた。
「ごめんね、いきなり。」
首を振る。緊張して声が震えてそう。
「顔強ばってるよ?なんかあった?」
「えっ、なんにもないですよ。」
まさか緊張して強ばってますなんて言えない。
「ならよかった。ポニーテール似合うね。
あ、車乗って。」
「は、はいっ。」
今まで平静を装ってたのに
ポニーテール似合ってるって言われて
一気に動揺し始めた。