天才くんは密かに甘い。
「遅くなっちゃってごめんね?んで・・・・・橘クンはどうしたの?」
不自然に立っている理人に悠馬くんが聞く。
悠馬くんの顔がいつものニコニコした顔じゃない。
「お前こそ何で優愛待たせてんだよ。」
理人が悠馬くんに近づく。
「最近なんなんだよお前。優愛のまわりうろちょろしてんな。」
理人・・・?
「言っとくけど。」
悠馬くんも理人に近づいた。
「______________・・・・・。」
はっとした顔になる理人。
「かってにしろ・・・・・ごめ、俺邪魔だよな。じゃ。」
「え、理人っ・・・・・!?」
まって。何かもう取り返しのつかないことになる気がする。
悠馬くんが理人に何を言ったんだろう。
追いかけようと足を踏み出したとき、腕が強くつかまれた。
「いっ・・・・・優馬くん・・・・・?」
「どこいくの?優愛ちゃん。」
目が笑わない悠馬くんが目の前で笑っている。
「ごめんなさい・・・・」
誰に言うわけでもなく、静かに自分の口から出た言葉。
私は泣いていた。