-夏の想い出-
14話 -気持ち-
「ふぁぁ、おはよう悠ちゃん」
「おはようって...」

裕美が起きてきた。
布団をギュッと持ったまんまの裕美は、子供っぽく見える。

「今..由梨と何の話してたの」
「起きてたの」

別にやましい話はしてないんだけどね。

「颯人のこと。裕美は心配しなくていいよ」
「そっかぁ..うん。悠ちゃんを信じるね」

まだ寝ぼけているのか、あくびの回数が多い。

「私、ちょっと水飲んでくるね」
「おぉ、気をつけろよ」

たたたっ、と足音が遠ざかっていくと、ギュッと胸が痛くなった。

「欲求不満なのかな――――、俺。」
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