-夏の想い出-
6話 -険悪-
「お前、どうしてここにいるんだ」
「怖いなぁ、俺はただ裕美に会いに来ただけだよ」

ヘラヘラと笑う。
裕美には会わせたくないな。

「あれっ颯人じゃん」

まぁ、そんな願いなんて叶わなくて。

「よっ裕美。元気だったか」
「颯人こそ。ってかどうしてここにいるの」

あ~ぁ、と心底落ち込む。
どうして裕美はこんなに鈍感なんだ。
コイツがお前を狙ってる事くらい分かるだろ...

「裕美、行こう」
「え?あっじゃあ颯人も―――」

イラッ。
裕美の口から"颯人"なんて聞きたくない。

「ダメだ。もう遅いし帰るよ」
「えっ。ちょっ、ちょっと悠ちゃんっ」

強引に裕美の腕を引っ張る。

颯人とすれ違った時、颯人は









「まぁ、どうせまたすぐ会えるんだ。覚えてろよ?悠」

と、言った。
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