チョコレート×キャンディ

「ってことは…？」


私は千香ちゃんの言葉を復唱する。


「桜井君は当日の一回だけで覚えたってことだよ!!」


「あんな長い話を一発で！ まぁ紙見てたけど…。でも、自信が無いと引き受けられないでしょ!?」


「う、うん……」


千香ちゃんの話に圧倒されながらも、私は頷いた。


たしかに…、自分に自信があるってすごいよなぁ…。

私とは大違い。



「っていうか、桜井君いなくない？」


千香ちゃんは辺りを見回す。

たしかにいないや。


同じクラスのはずなのに…。

先生と話してるとかかな？


私はクラス分けのプリントを取り出した。



１−３

担任：塚本一郎


全40名

男子：23名　　 女子：17名


９番 桜井草太


32番 新垣里美



同じ３組の列にある名前。


まだ、好きだという感情はなかったのに。


すっごく嬉しかった。