チョコレート×キャンディ
廊下から足音が聞こえる。

2人なのかバラバラ。


千香ちゃんが廊下を覗き込んだ。


「来た来た! 髪、大丈夫かなぁ?」


千香ちゃんは小さな鏡を取り出して見ていた。



ガラッ



後ろのドアが開く。

右手にバッグを持った桜井君が入っきた。


皆、当たり前みたいに後ろを振り返る。


「これって番号順?」


桜井君が近くにいる子に話しかける。


「ここだよ!」


一人の男の子が手を上げて呼んだ。


あ、小岩井君だ。


手を上げたのは、小学校がいっしょだった小岩井隆史君。

結構仲の良い男の子。


桜井君は小走りで小岩井君の後ろの席に座った。

その後小声でお礼を言っていた。



ガラッ


「はい、おはよう! 起立〜。あ、お前鏡しまえよ」


「はーい」


前のドアから先生が入ってきた。

黒い髪で中年のおじさん。

そんな感じ。

さっそく注意された千香ちゃんは、上手く髪ができたのか、後ろからでもわかるくらい笑顔でいた。



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