チョコレート×キャンディ
「里美ちゃんか! あたしのクラス、あたししか委員いないし……。先輩全然わかんないし、1年に女子がいてよかったー!」


白川さんのコロコロと変わる表情は、桜井君に少し雰囲気が似ているようだった。


「あたしは白川梨衣子! 名前でよんで? あと朝はありがとうね!! 仲良くしてください!」


そう言って、白川……梨衣子ちゃんは、幸せそうな満面の笑みを見せる。

差しのべられた梨衣子ちゃんの手に向かって、私も手をのばした。




「どーせ夏休みの間だけだろ、そーゆーの」



手に触れる前に、いきなり左から声が流れてきた。



その声に振り返ると、朝にも見た顔があった。

頬づえをついて、こっちを軽く睨んでいる。



「かなめ!」


梨衣子ちゃんが発した言葉に記憶をたどる。



あ、石田君だ。

朝や体育の時間はあまり顔を見られなかったけど



ちょっとチクチクした雰囲気。

低い声。

千香ちゃんが何回も繰り返した名前。

桜井君と並んでるときの、やわらかい表情。


全部一致した。







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