チョコレート×キャンディ
思わずさっきの言葉を忘れて見とれてしまう。

ゆっくり見ると、不機嫌そうな顔でもちゃんと整っている。


桜井君とは違うタイプだけど、カッコイイ……。



桜井君と石田君の不思議なツーショットの原因は、実はこれなのかもしれない。


でもあまり違和感がなかったのも、ついつい見とれてしまうのも、きっと皆これのせいだ。




「なら初めから仲良くしねーほうが楽だろ」


面倒くさそうに言う石田君。


私達のこと言ってるんだよね……?


視線を恐る恐る梨衣子ちゃんに戻すと、目を見開いて顔を赤くしている。



この2人って、仲良いんじゃないの?


朝のことを考えると、そう思う。

だけど今は、教室の最後列で嫌な雰囲気が漂っている。


もしかして、私のせいで仲悪く……?


私がきっと石田君のカンに障ることやっちゃったんだ。


梨衣子ちゃんは差し出した手を、そっと下ろし始めた。


せっかく話せたのに……。



なんとも言えない、モヤモヤや情けなさが心に浮かぶ。









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