チョコレート×キャンディ
私は下を向いて、目をつぶった。




バンッ



私の耳元で大きな音が聞こえてきた。



目を開けると、スカートから出た梨衣子ちゃんの膝が見える。


バッと顔を上げると、梨衣子ちゃんはさっきよりも顔を赤らませて立っている。



さっきの音の正体は、机とそこに置かれた手だろう。


思いっ切り叩いたのか、私にも手の痛さが伝わってくるようだった。



「なんでそんなこと言うの!?」


梨衣子ちゃんは声を張り上げて叫ぶ。

本気で石田君に怒ってる。


この騒ぎには、さすがに上級生や先生が反応した。


先生はそろそろと梨衣子ちゃんに近づいていく。




「せっかく仲よ……「遅れました!!!」



ドアがさっきの音みたいに、バンと開いた。


一斉にその音と声が聞こえた方向に顔を向ける。




体育のときとデジャヴのように、桜井君がそこに立っていた。



そして何事もなかったように、桜井君は私と石田君の間にあるイスに座る。







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