チョコレート×キャンディ
私よりも、その子と席の近い桜井君にも聞こえたみたいで、少しそちらに顔を向けた。


ゆっくりと顔を戻し、さっきまで前のめりになっていた体を今度は後ろへ、イスに背中をつけた。



「なぁ……聞いてんじゃん」



いつもより低い声が耳に届く。

一瞬肩をビクッと震わせた。


腕組みしている桜井君は、2人の様子を冷静にうかがっている。

だけど2人は、前以上静かになった。



私が答えたほうがいいのかな……?



「ね、委員会中だしその話やめにしよっ?」



私が迷っていると、いきなり石田君の後ろからヒョコッと出てきた男子。

色白い肌と茶色い髪で、何もしてなくても嫌でも目立っていた金堂君だ。


この話、雰囲気をを止めようとしてくれている。



「……俺は梨衣子とかなめに聞いてるんだけど」


桜井君は表情を変えないで言葉を返した。

雰囲気が普段と別もので、ちょっと……いや、かなり怖い。








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