チョコレート×キャンディ
私は窓を見ながら、階段に向かっていった。



金堂君の言葉が心に残る。


滅多にないのは、梨衣子ちゃんと石田君のケンカ?


それとも……







――桜井君?




皆の知らない面を見らるのは嬉しいこと。



だけど――




今は全然嬉しくないよ。







「里美ちゃん里美ちゃん!」


階段を一段下がろうとすると、前から呼びかけられた。



「さっきテニス部の先輩が言ってたんだけど、」


すぐに喋り始めるその人は、まさに桜井君だった。

どこに行ってたのか、私と逆に階段を上っている。



テニス部の……先輩?


すぐにお姉ちゃんの顔が浮かび上がった。

だけどお姉ちゃんは女子だし、高等部。


そんなわけないか、という思考がすぐにできた。



桜井君は私の目の前まで階段を上がってくる。









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