チョコレート×キャンディ
校門を出て、普通に立っていた桜井君の横にいく。
「どうしたの?」
桜井君と私以外、誰もいない。
私達の前に広がる、幅広い一本道は閑散としている。
弱々しく吹く風が寂しい。
「あぁ、里美ちゃん待ってたんだよ」
サラリと言われたその言葉は、私の耳をまたサラリと抜けていった。
緑色の葉をつける木は、暮れている赤い夕日と対抗しているように思える。
ただそれだけがこの殺風景を際立たせて、まるで取り残されたような感覚になってくる。
今まで、この景色を一人で見ていたのかな。
「な、なんで?」
自分だったらと考えて、なんだか切なくなった。
待たせちゃってなんか申し訳ないけど、待ってる理由がわからなかった。
桜井君は右側を門につけて、私と向き合った。
私はなんだか、向き合いづらくて、ちょっと顔を向けたまま。