チョコレート×キャンディ
「たしかカレーライスだよね?」

「ごめん退いて!」



千香ちゃんに聞いたとき、後ろから強引に私達の間を割ってきた。


階段を数段飛ばして上ってく人は、まさに桜井君で。


いつもは私と同じ青い手提げバッグなのに、なぜか今日は黒いリュックを右肩に掛けている。


そのまま颯爽と去って行った桜井君は、もういなかった。



「どこ行ったんだろうね?」


鍵が閉めてある教室を前に、千香ちゃんは廊下にバッグを置いて一服している。



「さぁ……」


千香ちゃんと同じに不思議になりながらも、まだ開いていない教室にガッカリした。


特に早く来たわけじゃないのに、鍵はまだ開いてなくて、ほとんどの人が廊下で待っている。



「……そうだ、学級委員!」


いきなり千香ちゃんが大声をだす。

そういえば一昨日、私が委員だって言われたな……。



「そうじゃん学級委員!」


千香ちゃんの声を聞いたのか、近くにいた男子がこっちに向かってくる。










< 77 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop