チョコレート×キャンディ
「もしかして俺のないの!?」
顎を手で支えながら、目を丸くする桜井君。
さっきの言葉を聞くと、先生はまたさらに焦りだした。
「ちょっと待ってなー」
先生は小言を言いながら、教卓の上にプリントを散らす。
「草太君は陸上だよねー」
「うん、足速かったし」
「もう陸上でよくね?」
ザワザワとまた騒がしくなり、先生の手の動きを早める。
その間桜井君は、さっきの体勢のまま、冷静に先生を見ていた。
「あ、あったぞ! 桜井は――ほ……放送部っ」
「よっしゃ!」
「えぇー!?」
先生の安心した声のあとに、すぐ桜井君の喜ぶ声と、皆の驚きが聞こえてきた。
桜井君がなんで放送部!?
第一希望落ちちゃったのかなって思うけど、桜井君の反応からして違うってわかる。