チョコレート×キャンディ
じゃあホントに、放送部を希望したんだ……。
「は!? なんで草太が放送!?」
「いいだろー別に」
桜井君は椅子の上に乗り出して、文句を言う男子達に答える。
「放送部とか暇じゃん!」
「あれ廃部しそーなんじゃないの!?」
「あんなー、お前ら放送部なめんなよ」
背の高い桜井君が椅子に乗ったから、余計高い位置にいて皆が見上げる。
桜井君は皆を見下げたまま、意地悪そうに笑いながら宣告していた。
「桜井カッコつけるなー」
「ははっ。てか目線高ぇー」
先生が眉を下なから笑って言うと、桜井君は目の上に手をかざして周りを見回した。
さっきとは違って、楽しそうに笑っている。
ホントに陸上じゃないんだ。
ってことは、もうあの走りを見る機会はあまりないんだな。
体育は男女やることが違うし。