フリージアとアスチルベ
「那瑠、おはよ!」
「おはよ...」
玄関を開けると、いままでと同じで少し違う風景。
幼馴染である千崎 碧海(センザキアミ)の制服が変わったのを見て、高校生になったことを自覚する。
「クラスどうなってるかなー。」
「ここまで同じクラスだったんだから同じクラスになりたいよね。」
「んね。」
他愛もない話をしながら学校に向かうと、玄関前には人だかりができていた。
「あれ、クラス表だよね?」
「そうだと思う。
手分けして探そうか。」
お互いの名前を探していると、早速A組に碧海の名前を見つける。
私の名前は...ない。
「碧海...
クラス離れてた...」
「うそ...
ショック...」
隣にいた碧海も落ち込んでいる。
12年間一緒だった幼馴染と、初めて分かれると知った瞬間だった。
「ま、まぁクラス離れたっていつでも会えるんだから!!」
「そうだよね!!
いつでも会えるよね!!」
そう言いながら励まし合うけど、お互いショックなのは口にしなくてもわかることだった。