みんな、ときどきひとり
「ほら。わたし、2人が付き合う前からさ、亮太から梨花の話されてたから。すごい好きって知ってたから。なんか良かったとか軽く言われると、亮太の辛い気持ちも知らないでいい人ぶってるみたいでちょっと嫌かなって思って」
自分でもよくわからない弁解をしてると思った。
何が言いたいんだ。
いや、言いたいことを言いたくないんだ。だから、しどろもどろになる。
「いい人ぶってなんかいないよ」
わたしの言葉にカチンときたのか、梨花の口調も強くなる。
「そうだよね。ごめん。でも、亮太だって、きっと辛かったから。そう思っただけで。だから、ごめん。なんでもない。気にしないで」
少し興奮してしまったせいか、頭が上手く回らず同じ言葉をまた繰り返してしまう。
「優菜、なんで、そんなにムキになって亮ちゃんの肩をもつの?」
梨花はわたしに更に追い打ちをかけた。
「亮ちゃんのこと、好きなの?」
梨花の目はいつものおっとりした梨花とは思えない程、真剣だった。
「好きじゃないよ」
まだ笑って言える。大丈夫。
だけどもうやめたい、こんな話。いつか、ぼろが出てしまいそうだから。
「ねえ、優菜。ごめん。本当は、気になってたんだ。優菜が亮ちゃんとの写真、持ってるの見ちゃったから」
「えっ?」
血の気が引いた。