みんな、ときどきひとり
家に帰ると、人の気配もせず真っ暗だった。
リビングの電気をつける。その明るさを頼りに、隣のダイニングへと移動した。
ふとダイニングテーブルに目をやると、メモ用紙が置いてあることに気づいた。
『今日は、外でご飯を食べてきます。冷蔵庫に昨日の残りのものあるから適当に食べて』と、母からの書き置きだった。
お腹、すいたな。
そういえば、足、痛いな。
冷蔵庫からラップされた皿をとりだし、電子レンジの中にいれ温めを押す。
オレンジの明かりがつくと同時に、クルクルとわたしの夕飯は回りだす。
それをボーッと見つめる。
今日のことが頭を駆け巡る。
お尻も痛いな。
擦り傷、お風呂に入ったらしみそうだな。
お腹、空いたな。
わたしは、ひとりになんて、なりたくない。
ひとりなんか、絶対に嫌だ。