みんな、ときどきひとり
今でも電話をくれたりして、遊びに誘われたりするけど、期末テストとか予備校とかの理由で遊ぶのを断り続けていた。
それでも、めげないたくましさはどこからくるんだろう。
校長先生の長い挨拶が始まる。
忍耐力でもつける為にでもわざと長くしているのかと毎回思う。
手嶋くんのたくましさはこれで育ったのかとくだらないことさえ浮かんでしまう。
本当。話なんかより、セミの鳴き声のほうが耳について仕方ない。
終業式もホームルームも終わって、教室を3人で出た。
「じゃあ、来週は海だからね」と美和子が言う。
「オッケー」
「じゃ、またね」と言って、2人は駐輪場へと向かって行った。
わたしは下駄箱を出て、立ち止まる。
3年2組の上にある2年2組の教室を見上げた。