みんな、ときどきひとり
「ふっふっふ。弱点、見つけたよ」
「なんですか。その不敵な笑みは」
「今まで、言い負かされてたからね。こんな可愛い水城くんを見ちゃったから、勝てるかもって」
「じゃあ、なにもしません」
また、素っ気ない態度で彼は言う。
「えー」と哀しい声を出したのは、結局、今日もわたしだった。
「好きです」
その声が合図みたいに。
もう一度キスをする。
繋いだ手は誰かからのプレゼント。
きっと、そうだ。
だって、こんなに温かい気持ちになれるもの、今まで知らなかったから。