みんな、ときどきひとり
「えっ?亮太が花火大会に行こうって?」
「うん。どうしようかな」
夏休みに一緒に観に行った映画の後、梨花がわたしに相談をしてきた。
その前に、わたしは亮太から梨花が好きだと相談を受けてた。だから勿論、花火大会に誘ったことも知っていた。
「行ってみたら?あいつ結構いい奴だし」
「そうだけど。みんなで遊んだことあっても、2人で遊んだことないし気まずくなりそうとか思っちゃて」
「あいつただのバカだよ?気遣う必要ないよ」
「そうかな?」
「まあ、乗り気じゃなかったら仕方ないけどさ」
「うん。やっぱり断ってみるよ。気まずいの嫌だし」
亮太に相談されてる手前、行くことを勧めるしか出来なかった。
亮太に興味のない梨花が行くとは思わなかったのもあったし。
そんなわたしの予想を裏切って、梨花と亮太は花火大会に2人で出かけた。
わたしはその夜、テレビを観ながら2人が見ている花火大会を想像していた。