みんな、ときどきひとり
だけど。それから、数日後。
「亮ちゃんと付き合うことになったんだ」
2人は付き合うことはないと、すっかり安心しきっていたわたしの耳に想像もしない言葉が飛び込んできた。
それを言ったのは、梨花だった。
胸の中が真っ黒いもので覆われていくのを感じた。
やっと言えた言葉は「亮太のこと、好きなの?」だけだった。
「うん。いい人だよね。付き合ってもいいかな、なんて思って」
二コリと微笑む梨花はいつもと変わらず可愛くて、反対に、わたしの胸はすごい速度で黒に染められていく。呼吸をする度息苦しくなっていく。
なんで好きじゃないのに付き合うの?
なんで好きなのに付き合えないの?
そんな言葉がグルグル回りだす。
ついには、呼吸の仕方がわからなくなったみたいに、全てが止まって見えた。