みんな、ときどきひとり
3年生の校舎は、1階にある。
渡り廊下を渡ってすぐだ。
亮太とは、高1の春に仲良くなってから、ずっとこんな関係で、教科書を貸したり、顔を見合わせれば憎まれ口を叩いてる。
最近は昔みたいに放課後に遊んだりはしなくなったけれど、クラスが変わった今でも気軽に話せる友達の1人だ。
出逢った当初から小さかった亮太と大きかったわたし。
3年生になってもそのバランスは崩れなかった。
一緒に並んで歩くと、わたしの顔半分位に亮太の頭がある。
そういえば「チビ」って言ったら「ジャイアント」と返され、一時期わたしは「バーバさん」と呼ばれていたな。
さすがに、そのあだ名はやめさせたけど。懐かしいな、ふと思い出した。
3年生になると、専攻した教科でクラスがわかれた。
その結果、7クラスある内の1、2組が女子クラス。6、7組が男子クラスになった。
亮太は6組になって私は2組。
「どう、男クラ?」
「男クラ?まあ楽しいよ。男くせーけど」
「自分だって、男じゃん」
「いんや、俺は中性的なキャラですから」
「その顔でおねえキャラ?」と突っ込むと、笑った。