みんな、ときどきひとり
高1の野外活動のときに、わたしと亮太と美和子で写真を撮ったことがあった。その写真を実は生徒手帳に入れていたんだ。
二人ではないけど、男と写っていると言われると浮かぶのがそれしかなかった。
だけど生徒手帳は鞄に入れっぱなしで、学校で開くことはなかったから、落とすことはないだろう。
確認のため、生徒手帳を恐る恐る開いてみると、あるはずの写真がそこになかった。最悪。
手紙と写真を同時に落としたってことだ。でも、今はどこにあるんだろう。
考え抜いた結果、悪あがきでやってきた職員室前にある落し物ボックス。
ガラスケースの中を除くとネクタイやメガネケースに紛れて、わたしの写真を見つけた。
なんでこんなものがこの中にあるのか違和感があるけど、先生に鍵を開けてもらった。
「お前、こんなの落とすなよ」とニヤニヤしながら渡されたのは気持ち悪かったけど、手にした写真を思わず凝視してしまった。
美和子が写っているはずなのに、なぜか切り取られていて、ツーショットになっている。しかも見覚えのないハートのシールが可愛く貼付けてある。
どんないたずらなんだろう。気持ち悪いな。
ちょっと考えた。
確かこの写真は、亮太も美和子も持っていた。
実はこれはわたしの持っていた写真じゃなくて、まさか、亮太が?……なわけないか。自分で思って鳥肌が立つほど寒く、現実味がなかった。
顔をあげると廊下の先に、タイミング良く亮太が手を振りながらやってくるのが見えた。