みんな、ときどきひとり





あっという間に日曜日になってしまった。

窓を開けるとわたしの心とは正反対に絶好の遊園地日和と言えるくらいの快晴だった。

「雨乞いでもしておけば良かったかなぁ」

空を見て舌打ちした。

今日、どんな人が来るんだろう。正直、合コンでもないけど知らない人に会うのは人見知りの激しいわたしにとっては苦痛だった。

「行くしかないよね」

呟きながら、机の上に置いてあるラッピングされた鉢植えのピンクのカーネーションを手に取る。リビングに行くと予想通り、母がテレビをつけて笑っていた。

「おはよう」

「あら、おはよう」

「今日、母の日じゃん。これあげる」と、ピンクのカーネーションを母に手渡した。

「ああ。そういえばそんな日ね」と言って受け取る。

「あっ、あとね。ケーキ焼いたんだけどさ」

梨花にこの前貸した、レシピ本に載っていたイケメン秘伝のパウンドケーキ。

せっかくだからと思って、昨日夜中に作ってみた。

自分で言うのもなんだけど、おいしく出来た。さすがイケメンと食べながら呟いたくらい。

同時に昨日書いた手紙が机の上に置きっぱなしになっていることを思い出して、

「あっ、ちょっと待ってて」

と言って、急いで階段を駆け上がった。
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