みんな、ときどきひとり

って、何を言い出してるわたし。

「ごめん、なんでもない」という言葉を発する前に、「いいんじゃないですか」と彼は窓の外を見ながら言った。

わたしのことなんか知らないのに、なんでそんな簡単に言えるんだろう。

あっ、違うか。

逆になにも知らないから簡単に言えるのか。

わたしのことなんか興味ないから。どうでもよくて簡単に。

そりゃそうか。

ていうか何を訊いてるんだろう。わたし。この人に。

情緒不安定だ。こんなところで。最悪。

時折くるんだ。気持ちが不安定になる大波が。きっと今、のまれかけているのかもしれない。こんなことを他人に言うなんて。

さっき彼が言った、このままでいいやって言葉を聞いたせいかもしれない。親近感でも抱いてしまったのだろうか。

恥ずかしくなって、顔を下に向けた。枯れかけの向日葵みたいに。もう二度と咲かなくてもいいから、消えてしまいたくなった。
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