夢の中の少女
そんな私が小さい頃のことなんて聞いたら、きっとそう思うだろう。
そして私は、お母さんからお姉ちゃんの話を聞いた。
…ー話し終えて、お母さんは立ち上がった。
「あら、そろそろ夕食作らなきゃね」
私はまだ、夢の中にいるような気がして、ぼーとしていた。
「あ、そうそう。まだ直接言ってなかったね…」
お母さんは不意に振り返って少しだけ笑った。
その笑顔が悲しそうなのも無理はない。
だって今日は、お姉ちゃんの命日でもあるんだから。
私のせいで死んでしまった、姉の…。
「梨穂…。誕生日、おめでとう」
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